Blogのユニバーサルデザインに向けて
ユニバーサルデザインと言う言葉、最近よく見かけます。
「車椅子の人向けに工夫された、段差のない床」など「障害者の方にも使いやすい様に工夫されていること(バリフリー)」が、ひいては「それって、結局誰にでも使いやすい工夫になっている」という事を示しています。
富士通のページに、Webサイトのユニバーサルデザインについて、文字を大きくする、画像にはタイトルを付ける、色合いを(色弱の方にも)見やすくする等、アドバイスが書かれています。
と、今まではこういった視点のコメントはよく見かけたんです。もちろん、これも大事なことです。
ところが、Think(東洋経済)という雑誌に、NHK「週刊こどもニュース」という番組のキャスター、池上彰さんの記事が載ってまして、「そうか!」思わず膝を打ちました。
週刊こどもニュースとは、その名の通り、子供にもわかりやすいように内容を工夫したニュース番組です。ですが、子供向けと言っても、結論を簡略化したり内容を薄めたりすることではありません。通常のニュース番組が「こんなこと、知っていて当然だろう。」と内容を省略している「用語」や「前提」を、きちんと一から説明しているのです。
そうか。週刊こどもニュースは、ユニバーサルデザインだったのか。「こどもニュース」の視聴者の半数以上は大人で、しかも年配者。その大人たちが、「こどもニュース」を見ると新たな発見がある、と言っているそうです(私もそう思った視聴者の一人です)。
「こどもニュース」の作り方に関して、池上さんの記事の見出しは、以下のようになっています。
・素人の視点で考える
・図解化するといろいろわかってくる
・原典にあたる(←関係法律等、1次情報を頭に入れる)
・専門バカの危うさ(に気をつける)
そして、最後に
デザインの世界で「ユニバーサルデザイン」という考え方があります。お年寄りやこどもたち、障害のある人たちにも使いやすいように工夫されたものをいうのですが、こうしたデザインの商品は、実は誰にとっても使いやすい。
情報の伝達におけるわかりやすさというのも「ユニバーサルデザイン」と同じように、誰にでもわかりやすい伝達方法を工夫するという意識を持つ必要があるのではないでしょうか。
…では何故、世の中のモノはユニバーサルデザインになっていないのか。
・手間がかかり、量・費用等がふくらみやすい。
・知恵やノウハウが必要。
・スマートさ、カッコよさと両立させにくい
週刊こどもニュースも、時間枠の割には、扱えるニュースの件数は少なくなっています。カッコイイかというと、私は「クールではない」と思います。そして、実現するためには、池上さんの様な方が必要になるわけです。
こういう「ムズかしさ」があるわけです。
じゃあ結局、どうすればいいのか。この記事のタイトルは、「Blogのユニバーサルデザインに向けて」でしたね。
おそらく、ユニバーサル度100%にするのは実際は不可能です。でも、いままで30%のモノを、すこしの工夫で60%にすることはできるかもしれません。大事なのは、バランスですよね。
自宅までの案内図を書くことを考えてみます。ただ詳しい地図を送ってもだめですし、かといって縮尺の大きい、簡略化しすぎた地図を送ってもだめでしょう。自宅から遠いところは縮尺を大きく、自宅の近くは縮尺の小さい地図を書いてあげるのが良いかもしれません。目印となる建物は大きく書き、それ以外の建物は省略することも必要でしょう。
Blogの記事は、他人に読んで頂くという形式上、一応「誰かに何かをわかってもらうために」書いています。
「わかる」と言うことは、「わからない」から出発して、「わかった」へ続く道筋を地図上に描くこと、と本で読んだことがあります(橋本治「わからないと言う方法」)。
この「なころぐ」に来て下さる方の中には、TOPページから来てくださる方も、検索エンジンから直接記事を見る方もいます。そして、いろいろな知識が有る方、無い方がいます。
「電車で来ても、車で来ても、わかるような自宅案内図」を描くように、Blogの記事を書いていこうと思います。
あくまで、「できるだけ」ですけど(^-^;。
3ヶ月前の自分の記事を読んで、「ん?なにが言いたかったんだっけ?」となるようだと、それは「ユニバーサルデザイン」ではないでしょうね。
---
追記:参考 maeblog:意外と難しい、正しい文章
« 酒始めました | トップページ | Winny開発者逮捕へ »
この記事へのコメントは終了しました。


コメント