土曜日のレストランで外人体験

　「いらっしゃいませ、お名前を伺ってよろしいでしょうか？」

　土曜日の夕食を食べよう、と入った少々高級なイタリアンレストラン。よほど忙しいのか、笑顔のない案内係の女性店員さんに早口で言われました。

　私も笑顔なく答えました。

　「えーっと、おととい予約した○○です。」（○○は本名ね）

　「○○様…はい、お待ちしておりました。あー、もう少々お待ち下さい。ご用意でき次第お呼び致しますので、こちらでしばらくお待ち下さい。」

　…待つこと１０分。

　後から来た人に先を越され「おかしいな、確認してみようかな？」と思っていたところ、その視線を感じたのか、その女性店員さんが私に向かって振り向き、大きな声で言いました。

　「はいアラン様！お席の準備が整いました。大変お待たせ致しました。」

　…アランってだれだよ？！どう見たって、私の顔は普通の日本人なんですけど…。

　ちょっと冷たく恥ずかしい空気が辺りに漂います。

　「…アラン様…ですよね？」

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　１０年ほど前、横浜の山下公園で、友達と４人くらいで遊んでいたところ、通りかかったオバちゃんに言われたことがあります。

　「あら、アランじゃない？」

　４人はお互い顔を見合わせてしまいましたが、そのオバちゃんは「あら、違うの？」と何事もなかったように去っていきました。

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　●ひょっとして、私の幼名か前世は「アラン」なのか？「はい、私がアランです！」と言うべきなのか？ひょっとして生き別れの（以下略）

　…等というくだらない考えはすぐに捨てまして、

　●「もう、そんなことアランがな！なーんちゃって！」

　…等というくだらない考えはすぐに捨てまして、「違います！」と本名を名乗り出て、とっとと席に案内してもらったのでした。

　マイケルとか、ボブとか、ダニエルならまだ分かるんだけど、「アラン」と呼ばれるのは何故だろう？？