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2004.06.29

ベッカライ・ブロートハイム

 フランスパンは、買ったその日に食べたいもの。ナナメに切られたパンにバターをチョンチョンとつける。口を大きく開けてかじる。かみ切る。フワフワというよりクニクニとした食感。噛むうちに、あのパン屋の香りが口の中に広がる。濃厚なコクと上品な甘さの調和が押し寄せてきて、「旨い!」とつぶやいてしまう。

 「ベッカライ・ブロートハイム」は、東京・世田谷区桜新町にある有名なパン屋さんです。日曜日の夕方、国道246号から世田谷通りに抜けようとしていた時、左手にこぢんまりとしたパン屋さんを見かけました。「桜新町のパン屋と言えば…」、4年ほど前パン屋巡りがマイブームだった時に名前は覚えていましたが、「ベッカライ」には一度も行った事はありませんでした。

 「ここがあのベッカライかー。」と、発見した喜びを感じつつ、まだ白いタイルや木目が新しい感じの店内に足を踏み入れました。ネットで調べたところ、まだ改装・移転したばかりとのことです。

 前に並んでいた客と店員さんのやりとりで、まもなくフランスパンが焼き上がる、という情報をキャッチ。フランスパンと一口に言っても、形により、細長い「バゲット」、ちょっと太い「バタール」など色々な種類があります。私は、バタールを注文しました。

 5分ほどで、「まだ熱いので気をつけてお持ち下さい」と、茶色の細長い紙袋に入れられたパンを渡されました。夕飯は途中で食べたので、帰って一切れだけつまみ食いして、「旨い!」とつぶやいてしまったのでした。

 クニクニとした歯ごたえが特徴的です。ねっとり感というところかな。そして、何かをのせて食べても美味しいのです。昨晩は、レバーペーストを少しのせて食べました。追っかけでビールをゴクリと行きます。もう、シアワセです。

 パン自体は安い物です。あれだけ大きくて、300円程度です。それでこれだけのシアワセ感をもたらしてくれるのですから、パン屋さんというのは、きっと幸せな職業なのですね。

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