山手線でヒグラシの声を聞いた
「カナカナ カナカナ…」
昨日の夕方、山手線に乗って座っていると、原宿駅でドアが開き、その隙間からヒグラシの鳴き声が聞こえたのでした。私も、他の乗客も、ちょっと驚いた表情。
「カナカナ」という寂しげで涼しげな鳴き声を持つセミ、ヒグラシ。夕方に涼しくなる、暗い森を好みます。ヒートアイランドの都心では、暑さに強いミンミンゼミ、アブラゼミが勢力を拡大し、ヒグラシはもう姿を消したといわれていたのですが…
原宿駅の向かいには、明治神宮の森があります。この森が、ヒグラシを育てているようです。
私は母方の田舎が新潟なので、毎年のお盆に墓参りに行きます。挨拶に伺う親戚の家で、麦茶と枝豆をごちそうになっていると、ヒグラシの声が聞こえてきます。居間を抜けていく風と扇風機、風鈴とヒグラシの声、そしておばちゃんの新潟弁の声は、私の「夏休みの情景」そのものです。
今年も、来週の土曜日には新潟に行く予定です。毎年一度の従兄弟との旅行は、今から楽しみです。もう枝豆の味を、小振りの枝豆を噛みしめたときのあのコクを思い出しつつ…
「プシュー、バタン!」
電車のドアを閉め、山手線は私を、仕事の待つ渋谷へと乗せて走り出しました。夏休みは、さらにもう少し先です。
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