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« 2月9日は「にくきゅうの日」 | トップページ | ニュースクリップ集:02/07-02/13 »

2005.02.10

司馬遼太郎式、東京の道の覚え方

 司馬遼太郎著「街道を行く」の一節に、こういう言葉がありました。

 下町には橋が多い、というくだりの中なのですが、

---

 東京の地理になれないタクシー運転手さんは、先輩から、
「山の手は坂で憶(おぼ)えろ、下町は橋で憶えろ」
 といわれてきている。私も、橋でもって鳶(とび)の頭である大川銀作さんの家を憶えた。

---

 なるほどな~、と思いました。

 私自身も、仕事で東京を走ることが多いです。ある程度は覚えてますが、東京の道の全体像がクリアにはなっていません。

 この文章を読んで、その原因は、全てを「交差点」で覚えようとしているからではないか、と思いました。

 交差点は、4つの方向から進入し、3つの方向に進むことができます。行動として、風景として、12通りあるわけですね。

 それに比べ、橋や坂は、上りか、下りか、の2通り。

 銀座4丁目の交差点、といえば「中央通り」「晴海通り」の2つが通っています。でも、「勝どき橋」といえば「晴海通り」と1つに特定できます。「権之助坂」といえば「目黒通り」です。

 そして、明確に地域を分ける効用があります。一回橋を渡ったら、(基本的には)また橋を渡って戻らなければならない。一回坂を登ったら、どこかで降りなければいけない。頭の中で、自分がどっちにいるかが計算ができます。


 結局「点(場所)」で把握するのではなく、「線分(橋・坂・道)」で把握しよう、ということですよね。0次元でなく、1次元。

 
 と、ここで、司馬遼太郎氏のこの本のタイトルが「街道を行く」であることを思い返しました。そういえば、この本自体が、街道という「線」によって日本を捉えていこう、というコンセプトで作られているのですよね。


 身近な「神田界隈」という言葉に誘われ、この本を手にしました。へー、ほー、と、司馬遼太郎氏のうんちく攻撃に感嘆し、軽快な文章に引き込まれます。東京にいる人、特に「江戸っ子」を標榜する人には、強くオススメします。

街道をゆく〈36〉本所深川散歩・神田界隈
司馬 遼太郎
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4 知っていてとぼけているのか?
5 味わい深いエッセイです

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コメント

妙に納得~~~!
確かに近所の六本木麻布地区(山の手)は
坂ばっかりだし、特色の強い名前で覚えやすいです。
そして、隅田川にかかる橋の名前などは、
容易に地図が頭に思い浮かびます。

あ、私は東京出身でもないんですけど、
かなり地図強いです♪
遊び歩きすぎという感じでしょうか^^;

コメントどうもです。

>遊び歩きすぎという感じでしょうか^^;

あっちこっち行ってらっしゃいますよねー。美味しそうな写真が、羨ましいです(笑

この記事へのコメントは終了しました。

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