鮫洲と餃子と諸行無常
鮫洲-サメズ-という地名を知っているのは、東京23区の南西地区に住んでいる人に限られるのではないでしょうか。
品川駅から京浜急行の各駅停車に乗って5つ目の駅が鮫洲駅です。ここから歩いて7~8分の所に、23区内に3つある運転免許試験場の一つ「鮫洲運転免許試験場」があります。23区の南西地区(品川区、大田区、世田谷区、港区など)在住の人は、この試験場で筆記試験を受けた人が多いはずです。
免許の書き換えの為、久々に鮫洲に行きました。免許取得から11年、ずっと無事故無違反で、ゴールド免許だったんですけど、今年に入ってから駐車禁止違反を取られまして、書き換えに際して「違反講習」を受けなければいけませんでした。そのため、近くの警察署では書き換えできず、平日に鮫洲の試験場まで行かなければならなくなったのでした。
鮫洲の駅前には、免許関連の書類を作ってくれる「代書屋さん」がたくさんあります。ですが、書類や制度が簡素化されていくのに従い、儲からなくなってしまっているようです。閑古鳥の鳴く商店街を抜けると、試験場の手前にあった自動車教習所は、マンションに変わっていました。
大通りを渡ると、鮫洲運転試験場です。海のそばに建っているので、空が開けます。
「おお、何も変わらないねぇ」壁がはがれかけた白いコンクリート造りの建物、殺風景な廊下、食欲というモチベーションがわかない食堂…鮫洲試験場そのものは10年前と変わりません。変わったのは、職員の人の態度です。以前はとんでもなく高飛車でしたが、現在はとんでもなく低姿勢です。
道路交通法の改正の講義を受けたり、交通事故の悲惨なビデオを見せられたりして講習を終え、あたらしいブルーの免許を手にして試験場を出ると、その向かい側に「つけ麺大王」というラーメン屋を見つけました。
「つけ麺大王」。
そういえば、この店も11年前と変わりません。筆記試験に合格し、免許証を初めて手にしたあのとき、この店でつけめんと餃子を食べたのでした。私は免許取得のために「大変」な苦労、あるいは「変な苦労」をしたので(→詳細はこちら)、うれしさのあまり涙がちょちょぎれながら、つけめんをすすっていた覚えがあります。
懐かしいので、この店に入りました。中のキタナイ雰囲気、壁に貼り付けられた多数のメニューは変わりません。昔と同じ、つけめん+餃子のセットを注文。
まずはつけめんの方から。…さすがはつけ麺大王、昔と変わらぬ庶民的な旨さです。調味料ばりばりのこの味を旨いという人は庶民です。私も庶民です。
つけダレはあんかけになっています。いわゆる「中華スープ」がベースの醤油味ですが、胡椒がきいていて、ウマ味がつよいながら、案外飽きが来ないのです。よく火の通ったにんじん、白菜、キクラゲをつけダレからすくいながら食べます。黄色い玉子麺は、ほどよい太さとコシの強さで、ガツガツと食べることが出来ます。
そして、別皿に6個盛られた餃子もつややかで旨そう…と箸をつけようとしていたら、カウンターの反対側に座っていた女性客(おばちゃん)に対して、店のコックさんが、餃子の焼き方講座をしていました。
「うちも最近になって焼き方を変えたんですよ。まず、餃子を置いた後、最初に水を入れて、茹でるように火をかける。で、沸騰したらそのお湯を捨て、油を注いで焼餃子にする。これで、旨い餃子が出来るよ!」
へえええ、と感心しながら、その餃子にかじりついてみました。すると、焼餃子の油感はあるんだけど、どこか水餃子的なぷりぷり感も持っています。焼具合は良く、なかなか旨い。
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免許をとって11年。その間に、変わったもの、変わってないもの、それぞれありますね。あーあ、自分はどうなんだろう。
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げ。ニアミスですね。今度、その思い出のつけめん大王にいってみます。たしか、大崎駅前にもあるはず :-)
投稿: kentaro | 2005.03.18 01:04
各所にまだあるようですね。ぜひお試しを。
投稿: nako | 2005.03.18 11:38