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2005.06.06

日本人がルイ・ヴィトンを買う理由

 昨日、駐車場に車を止めた時、隣に止まっていた黒いオデッセイ。このフロントガラスの内側部分に、ヴィトンのモノグラムのスカーフがかけてあって、車内はムートン地のVIP仕様。「なんかかなー」と思って眺めていました。

 それにしても、なんで日本人はこんなにもヴィトンのモノグラム柄が好きなのか?

 実は、そもそもあのモノグラムの間の花柄デザインは、日本の「家紋」をモチーフにしている、と言われています。

 時は1867年。第一回パリ万国博覧会。この時、江戸時代末期の日本から、「徳川幕府」「薩摩藩」「佐賀藩」「清水卯三郎(商人)」が出品したという記録があります。ヴィトンの関係者がその展示を見たとき、島津家の家紋(丸に十)などを見かけ、それをヒントにしてモノグラムの模様の部分を作った、という説があります。ヴィトンのバッグは、本来はきっと薩摩藩的な「質実剛健」だったのかも知れません。

 まあ、万博の展示を見たか見ないかは別にしても、モノグラムのデザインが作られた当時のヨーロッパは、空前の日本ブーム。印象派絵画にも影響を与えていた頃です。

 そんなことから、日本人として、あのデザインになんとなく親近感が沸くのかも知れませんね。

 1867年のパリ万博には、最後の水戸藩主、徳川昭武なども見に行ったそうです。こうした使節団たちからヨーロッパの状況を見聞きした日本人。「日本が欧米並みになるには、富国強兵をして帝国主義国家を目指さなければならない」としていろいろと無理をしてきました。そしてあの戦争。

Letter from Yochomachi:「日本人は不況でも(ルイ・ヴィトン製品の)購入はやめない」(ルイ・ヴィトン会長)

ヴィトン社の日本での販売戦略は「希少価値」を売るのではなく「人並みになるためには買わねばならない」という大衆心理につけ込んだものだろう

 日本人の心理は、あまり変わってない様に思います。

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