僕は悪くないモン、ホリエモン
ホリエモンの考え方をベースに、「悪いことはしていない」という言葉を考えます。
以前、ホリエモンとWinny47氏(金子氏)の共通点という記事を書きました。要約すると、
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・法の穴を突こうとした、というのがこの二人の共通点。
・ホリエモンがニッポン放送を買収しようとしたときの手法(時間外取引を利用した水面下の大量株取得)は、証券取引法に書かれている文言には反しない。しかしフェアな取引を維持しようとする証券取引法の精神(例えばTOB)には反している。
・Winny47氏(金子氏)は、著作権法はP2Pを想定しておらず、ファイル流通ソフトをつくるだけなら法律違反にあたらない、と考えた。しかし、彼の発言等々から考えると、Winnyの公開は、著作権法の精神に反する行動だったと言える。
・ある法律に実際に書かれている文言には反しなくても、その法律の精神にに反する行為というものがある。これがいわゆる「法の穴を突く」ということ。
・「合法ならば、何をしても構わない」というのがホリエモンの考え方だった。
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一方、おもしろいことに、今回の事件ではその逆が起きています。
つまり、ライブドアの宮内氏のコメントなどから推察すると、ライブドアのやったことについて、
・法の文言には抵触したかも知れないが、それほど法の精神に反したことをしたとは思わない。
と、ライブドアの人たちは考えているのではないかと思うのです。
以下私の推測ですが
・既にグループ傘下の投資組合で買収していた会社(マネーライフ)を、新たに買収したかのように発表した案件について。確かに文言に嘘はある。しかし、「買収しているのは事実」であり「これまで発表していなかったのだから、いま買収したように発表しても、さほど問題ではない」と考えた。
・ライブドア本体の粉飾について。確かに粉飾ではある。しかし、「グループ(連結対象企業)内で、どの会社にどの仕事をさせるかは、ホリエモンの自由。連結では利益が出ているのであり、どう割り振ろうとさほど問題ではない」し、「カネボウの粉飾の様に、未来に負債を割り当てつづけ、いつかは破綻する様な粉飾とは違う」ものであり、「はっきりいってどこの上場会社もやっていることだ」と考えた。
・つまり、法の文言には抵触したかも知れないが、それほど法の精神に反したことをしたとは思わない。
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この2つをまとめます。
Winnyとの話では、「法律の文言に違反していないので、悪いことはしていない」(=合法なら何をやっても構わない)という主張。
今回の逮捕劇の話では、「法律の精神に違反していないので、さほど悪いことではない」(=悪いことはしていない)という主張。(参考記事)
それぞれ片方だけを聞くと、「ひょっとしたら、そうかもな」と思ってしまうのですが、この二つは矛盾していると思います。それでも「僕は悪くないモン」というのなら、「とにかく、僕の正義に照らせば適合しているので、僕は悪くない」という主張の様に聞こえます。
それでは、まるでジャイアンです。
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こうやって物事を考えると、私もジャイアンである瞬間があると思います。そうなりたくなければ、ひょっとしたら自分も悪いことをしているかも知れないという気持ちをいつも持っていなければいけませんね。
悪いことと分かっていて、それでもやるというのは、バイキンマンです。
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コメント
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わかりやすかったです、
思わずしっかり読んじゃいました。
そうですよね、ジャイアニズム(笑)
いいたとえですよね~。
投稿: k_u | 2006.01.27 18:39
コメントどうもです!
ホリエモンというあだ名だと、キャラクター的にドラえもんなのかと思いがちですが、彼はジャイアンなんですよね。多分。
投稿: nako | 2006.01.30 16:11