ランダウアーの原理
摩訶不思議な原理に出会いました。
「情報が失われると(消去すると)、必ず熱が発生する」という原理です。
どんなに熱効率の良いコンピュータが開発されても、です。そして、「情報が失われない操作(演算)の場合は、そうではない」のです。
CDをリッピングしてWAVEファイルにしても「熱は絶対に発生するとは言えない」が、それからMP3にすると「絶対に熱が発生する」のです。(非可逆圧縮)
そして「その発生する熱は最低でも、失われる情報1ビットあたり=(ボルツマン定数)×(絶対温度)×ln2」と定式化されています。失われる情報が大きければ大きいほど、この熱は大きくなります。
環境が27℃くらいの場合(=絶対温度が300度)、情報が失われると、1ビットあたり 2.87x10^-21 J(ジュール)の熱が発生します。13億4千万ペタバイトの情報を消去すると、27℃の水100ccを100℃に沸騰させるだけの熱が絶対に発生する、という計算になります。(間違えてたらごめんなさい)
何が言いたいか、というと、「情報というのは、エネルギーを持っている」ということです。
論理的な情報を記録するのにエネルギーが必要だということは理解できますが、それが失われると、きっちりとそのエネルギーが熱という形で放出される、ということです。
もちろん、現在のコンピュータ環境では、このような熱は取るに足らない問題です。CPUでの無駄な電力ロスの発熱(Pentiumで目玉焼きができる)や、HDDの摩擦での発熱などの方が、遙かに大きいのです。将来、量子コンピュータなどが開発された場合、問題となって出てくるかも知れません。
「部長、今日は知恵熱が出ちゃったので早退したいです。昨日、あんな難しい話をみっちりと聞かされましたので。情報量が多すぎて…」「ということは、今お前はその情報を消去してるわけだな?」
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