「関係の空気」「場の空気」
「空気読めよ」と言ったことがある人、言われたことがある人に、お薦めの本です。
基本的な本書の内容は、
・日本語は省略表現が多く、会話の前提となる「共通理解」を非常に必要とする言語。この「共通理解」が「空気」である。
・会話のなかで、あえて言葉にせず(「例の件」など)、「空気」を意識して共有することで、親近感が得られる。
・この「空気」のお陰で、1対1のコミュニケーションは潤滑に行われる(恋人同士の会話など)。【「関係の空気」は肯定的な記述】
・「共通理解が足りない」かつ「言葉が足らない」と「窒息」が起きる。
・一方、1対nのコミュニケーションでは、「空気」の力が強大になり、話者が抑圧されることがある。【「場の空気」に対しては否定的な記述】
…また、タイトルにない、本書のもう一つの軸が「コミュニケーションの対等性」ということです。
・上司と部下、男と女、年長者と若年層では、使う言葉が違う。使う言葉が違うと、そのバックグラウンドとしての「空気」が変わる。すると、本来対等であるべきコミュニケーションが一方的になる。
---
多少本書の内容に「?」と思った点は、「空気」を生み出す源泉を「日本語の様式」と限っている印象があったことです。もうちょっと、モヤモヤしたものであるとおもいます。
しかし、「相手が空気ではどうしようもない」「抗空気罪、というものがある」など、とてもオモシロイ内容でした。
« ニュースクリップ集:08/21-08/27 | トップページ | EudoraからThunderbirdへ移行 »
「書評」カテゴリの記事
この記事へのコメントは終了しました。



コメント