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2006.09.22

「系統樹思考の世界」とWeb2.0

 以前ウェブ進化論を読んで、「Web2.0という標記は進化論的だなぁ」と思ったことをここにも書きました。

 んで、「Web2.0とは何か」から、「進化論をウェブ(ネット技術・文化)とつなげる意味は何だろう」という方向で探っていて、出会ったのがこの本です。

系統樹思考の世界
系統樹思考の世界
posted with amazlet on 06.09.15
三中 信宏
講談社 (2006/07/19)

 そういう視点に偏りつつ本書の内容(著者の主張)を私なりにまとめると

●著者曰く、この本は「歴史」「系統」をキーとするものの見方についての本である。

●系統樹思考とは、「進化」という視点で様々なものを位置づけて考えること。猿は四足歩行だが人間に近い、など。

●生物学は、進化論を基底に置くものである。

※進化とは=生物が不変のものではなく、長期間かけて次第に変化してきたという考えに基づく変化の過程。この変化は、進歩とは限らない。(wikipedia

●ものの見方として、「分類」を否定し「系統」で考える事を主張。

※分類とは=特徴や意味に応じて種類別に分けること(wikipedia

●生物学や理系の学問だけでなく、文系の学問にも「進化論」「系統樹思考」は有効であると主張。

--

 要は、言葉による概念で束ね(名前を付ける)、それをつなぎ合わせる(モデリングする)やりかたとして、歴史的な前後関係、あるいは因果関係を規定する「系統樹思考」という方法を提案しているわけです。

 本書では、丁寧に、思いつくであろう反論に対するモグラタタキをしています。

★反論1「歴史は科学ではない。再現・反証できないから」
→いくつかの仮説を立て、どれが一番もっともらしいか?を問うのは科学だ。

★反論2「複数の系統樹的仮説のどれが正しいか、なんて分からない」
→アブダクションという方法で推論できる。(#猿が犬になってから人間に進化したという仮説を完全に否定することは出来ないが、猿がチンパンジーになって人間に進化したと考える方がより妥当だと言える)

★反論3「系統樹は、ある一つのものから分岐していくというモデルだが、一度分岐した枝がまた合わさって新しいモノが生まれる、ということもある」
→分岐した枝が再度結合する「ネットワークモデル」の方が正しいと考えられる場合もあるが、相当複雑になる。とりあえずは系統樹思考で。

--

 本書は詳細な議論が為されていて、とくに著者の博識ぶりに感心しながら読み続けました。ただ、その博識ぶりの上に自意識の強さが感じられ、少々オタクっぽい感じが漂う本ですので、そういう匂いが嫌な人には抵抗があるでしょう。

 また、本書にはたびたび「曼荼羅」とか「華厳経」といった仏教概念が出てくるのですが、本来仏教は「諸法無我」であり、なかなか「系統樹思考」とは相容れないものがあると思いました。

---

 さて、最初のテーマ「Web2.0」についてですが、本書との共通点と言えば「分類には意味がない」です。Web2.0といえば、グーグル。Yahooの様なディレクトリー(分類)ではなく、つねに、ダイナミックに変化する検索キーワードという軸で事物を羅列して表示します。

 一方、分類を否定する系統樹思考というのも、やはり一つの分類であるといえます。現在の状態には捕らわれず、歴史的時間軸を考慮に入れているのですが、やはり分類なのです。時間軸という平面で切った一つの断面なのです。

 本書には、早田文蔵という学者が、華厳経をヒントに、動的な分類ということを提唱した、と書かれています。まさにこの動的な分類というのが、キーワード検索による動的モデリングです。

 で、この「系統樹思考」→「ネットワークモデル」、あるいは「ディレクトリー」→「検索」というのを「進化」として考える考え方自体も、「系統樹思考」の枠内なんですよね。

 ですから、もしここから抜け出したければ、2.0という標記ではなく、違う表現の方が良いのかも知れません。「Web2.0」の本質は、中央集権的系統樹思考、分類思考から抜け出すことだったはずなのですから。

---
※おことわり

 上記の記述は、本書の内容から私が受け止めた内容を、私の言葉で書いたモノであり、著者の主張や実際の本書の内容とかけ離れている部分があると思いますが、何卒ご了承下さい。ぜひ、本書をお手にとって見て下さい。


---
参考

著者(三中氏)のサイト書評ブログ

不連続な読書日記 - 系統樹の木の下で──三中信宏『系統樹思考の世界』

wrong, rogue and log : 系統樹思考の世界

系統樹思考の世界 すべてはツリーとともに 三中信宏: 大安亭記文:浮惑記 in 朝風呂

哨戒地点:『系統樹思考の世界』感想

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