入門!論理学
論理トレーニングなどでお馴染みの野矢氏による新書。くだけた表現を交えて、平易な文章で書かれています。中学生でも多分OK。
構成としては
1.論理学とは何か
・現実世界の言語による説明方法の中に、「前提が正しければ、結論もかならず正しい」という推論(演繹推論)がある。
・その演繹推論のやり方についても色々な立場(※)があるが、「標準的な命題論理」という方法・体系が確立されている。
(※)「(太郎は勇気を持っていない)ではない=太郎は勇気を持っている」を認めるか、などの問題。標準的な命題論理は認める立場(二重否定=肯定)。
2.標準的な命題論理とは
・「ではない」「…ならば」「かつ・または」などの言葉を厳格に定め(公理)、そこから推論を行う。
3.述語論理(量化)
2の命題論理に加え、「全ての●●は」や、「○○が存在する」などについての公理を定め、そこから推論を行う。
となっています。さらに補足としては
・「述語論理」のすぐ先に「自然数論」があるが、これはゲーデルの不完全性定理で「完全な論理体系ではない」と証明されている。
・本書は「自然演繹」というアプローチで論理学を説明したが、「真理表」からアプローチするやり方が一般的である。
との記述もあります。
「中学生でもOK」と書きましたが、中学生の時に読んでおかなければいけない本、と言えると思います。
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