西林 克彦
光文社
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いかにいい加減に文章を読んでいたかわかりました。
読者をおとしいれながら解説
そのとおりだ
最近読んだ本の中では、一番「ツボにはまった」一冊です。
本をササっと読んだだけではわからないことが多いのに、わかったつもりになってしまう事を、読者に体感させながら丁寧に説明しています。
一通り例文を読者に読ませた後、「では問題です。先ほどの文章で、○○についてどのように書いてあったでしょうか?」という問題を出し、「ほら、わからないでしょう?」という進め方です。まるで、学校の授業を受けているような感覚になりました。
少々鼻にかかる文体ではありますが、しかし、仰っていることはその通りなのです。『文章をより深く読み込むためには、「わかった」とおもっている自分の鼻をへし折って、もう一度、一文一文を読み込んでいくことが必要なのです』…ということを改めて思い知らされます。
こういう本、もっと早くに読んでたら、人生が変わっていたかも知れませんな。少なくとも、国語が苦手科目になることはなかったでしょうし、もっと小説を読んでいたかも知れません。
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ざっとした内容は、
・文章をわかるというのは、部分と部分との関連を理解すること。(原因→結果、など)
・文章を一通り読んで、幾つかの関連を見つけただけでは、まだ「わかったつもり」状態。もっと沢山の関連が見つけ出せるはず。
・最初に読むときにはこの関連を見つけようとして探すが、一度「わかったつもり」になると、それ以上探さなくなる。これを打破しなければいけない。
・文章を読むときには、読み手は「文脈」というものを想起しながら読む。これにより、書かれている言葉から自分なりに意味を引き出している。(それを部分間で関連づけようとする=わかろうとする)
・「わかったつもり」を打破するためには、違う文脈を想起する必要がある。それには、結論から見下さないようにすることや、例示されているものの意味を考え直したりすることが必要。
そういうことが「読解力なのだ」ということですね。
もう一度読み直してみたい本が、いくつか頭をよぎっています。
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