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« 白い杖が向かった意外な行き先 | トップページ | ニュースクリップ集:12/25-12/31 »

2006.12.27

Vista文字化け問題のまとめ

 来年発売されるWindowsVistaに移行するとき、「文字化け問題が起こる」ということが騒がれています。日経のサイトに詳細が書かれているんですけど、なんだか難しく書かれているので、上記サイトを元に、簡単にまとめてみました。

#何が問題であるのか、問題への対処方法を中心に書きます。何故そうなるのか、はできるだけ省略します。


☆何が問題なのか?

●1.WindowsXPで作った文書をWindowsXPで見る分には、ほぼ問題ない。WindowsVistaで作った物をWindowsVistaで見る分には、ほぼ問題ない。(「ほぼ」の理由はあとで書きます)

●2.WindowsXPで作った文書をWindowsVistaで見ると、下記の問題が起こる。

 ○2.1
 一部の文字では字体が変わる。「迂回」の「迂」の左の点が2つになる、など。

●3.WindowsVistaで作った文書をWindowsXPで見ると、下記の問題が起こる。

 ○3.1
 一部の文字では字体が変わる。「迂回」の「迂」の左の点が(Vistaでは2つなのに)1つになる、など。

 ○3.2
 Vista用新規格には新しい文字コードが追加されているので、この新しい文字をVistaで使うと、XPでは表示できない。(「丈」の右上に点をつけた文字、など)

 ○3.3
 Vista用新規格の新しい文字の中に、「サロゲートペア」という特殊な方法を使用しているものがある。この文字を使うと、アプリによっては文字化け、あるいはアプリの動作に影響を与える場合もある。(「臼」の下の横棒が切れた文字。「風」の中がなにもない文字、など)

 ○3.4
 Vistaでは「文字合成」という方法に対応している。例えば「カ゜」という文字を一文字で表示させることが出来る。この文字をVistaで使うと、XPでは文字化けする。また、「プ」という文字は昔から規定されているためXPでも表示できるが、この規定された物でなくVista上で「フ」+「゜」の合体で作られた「プ」は、文字化けする(と思われる)。

※1 【3.3】および【3.4】は、XPにメイリオなどのVista用フォントを入れればとりあえず表示できるようです。しかし、BackSpaceの扱いなどで問題が出ることもあります。

※2 ここまで「XPでは」「Vistaでは」と書きましたが、WindowsVistaでXP用のフォントを使ったり、WindowsXPでVista用フォントを使ったりすると、やはり「字体が変わる」「化ける」「表示されない」等の問題があります。(←【1.】の「ほぼ」の理由)


☆問題への対処方法

◎1.【○2.1】と【○3.1】については、「字体が多少変わっても気にしない」という方法がひとつ。ちなみに、Vista用の方が最近の国語審議会の結論に沿った形になっていて、XPまでの文字の方がオカシイ、ということになっている。正しい文字を出したければ、あたらしいフォント。Vista用フォントで対応する。

◎2.【○3.2】については、「そういう文字はこれまで規定されなかったので、昔の環境では表示できない」とあきらめる。

◎3.【○3.3】【○3.4】は、「サロゲートペアや合体文字はこれまで機能として持っていなかったので、昔の環境では表示できない」とあきらめる(ただし上の【※1】を参照)。アプリやシステムのサーバ側で問題が起こる場合は、対応してもらうまで待つ。

◎4.【※2】で書いた問題があることを覚えておく。

 ここまででイイと思います。以下は蛇足です。

☆なんでこういう問題が起きるのか?

 そもそも、日本語で使われていた漢字をコンピュータでも扱えるようにするにあたり、性能などのさまざまな制限から、一部の文字を略したり、旧字体が使えなかったりと、「我慢」していました。昨今の、コンピュータの進歩とともに、この「我慢」をやめて、ちゃんとした文字をコンピュータで扱えるようにしようという機運が構ってきました。

 そこで、国語審議会の勧告などを踏まえ、下記の内容の変更を行いました。

#いまさらですが、パソコンで漢字などの文字を表示するためには、「ほにゃららという漢字はNo1234だ」という「文字コード」という仕組みと、「No.1234だったらこういう風に表示する」という「フォント」という仕組みが必要になります。

■1.文字コードの変更

 幾つかの文字を追加した。

■2.サロゲートペア・合字をちゃんと扱えるようにした

 もともとのUnicode(文字コードの世界標準規格)で規定できたのは65535文字だったが、度重なる文字の追加要求を受け、「2文字分のコードで1つの文字を規定する」という技を使って65535文字以上を使えるようにした。この「技」をサロゲートペアという。

 合字は、文字として規定されていなかった「か」+「゜」などを一文字で扱えるようにした物。

 これらは、OSとしてはWindows2000,XPともに対応していた。しかし、OS標準のフォントが対応していなかった。フォントとセットのアプリ(一太郎など)ではきっちり対応していたが、その他アプリでは、これらの文字は使われなかった。

■3.フォントの変更

 XPで搭載される標準フォントは、【■1】で追加された文字コードに対応した。また、【■2】に対応した。

 そして、国語審議会等の勧告を踏まえ、(これまであった文字の中で)幾つかの文字の字体を変更した。


 これら3つの変更を受け、様々な振る舞いが変わる結果、いわゆる「文字化け」がおこるのです。


参考元:

Vistaで化ける字,化けない字

Vistaで化ける字,化けない字(続報)

複数の事象を混同しがちなVistaの文字問題

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