「ログイン」と「ログオン」は違うのか?
タイ料理を喰っている最中に、「ログオンと言う言葉とログインと言う言葉、両方有るよな」と、ふと思い出して、なんだか急に気になりました。
まず、大体どの記事を見ても「ログイン」と「ログオン」は同じ意味、と書いてあります。「IDやパスワード」を入れて、コンピュータを使える状態にすることですよね。
そもそも、昔からあるUNIXやパソコン通信では「ログイン」を使っていたのですが、MicrosoftがWindowsへのログインのことを「ログオン」と呼ぶようしたようです。
ログ(log)は、コンピュータの記録のことですよね。Check-inとかClock-in(出勤打刻のこと)から派生して作られたんでしょう。
そもそも、何でログインというものが必要なのか?という疑問があります。炊飯器や冷蔵庫を使う分にはログインする必要はありませんし、昔のパソコン(MS-DOS時代)も自分のパソコンにログインする、という考えは有りませんでした。
何故かというと、家電製品は「所有者だけが使うから」ですね。昔のパソコン(MS-DOS)もそうでした。しかし、Windows(95以降)になると、「マルチユーザOS」と言われるようになります。事務所にポンと置いてあって、誰が使うか分からない。しかし、部長は使っても良いけど、ヒラは使っちゃダメ、とか、そう言うこともあるわけです。
そこで、コンピュータに「俺は使っても良いぞ」と分からせるために、パスワードで認証するようになりました。この行為を「ログイン(オン)」という訳です。UNIXも昔から有りますが、最初から「マルチユーザ」を想定して作られています。
で、本題。なぜ同じ行為なのに、Microsoftはログオンというのか?
ここから先は、より一層私の推測です。
なんというか、UNIXっていうのは、コンピュータがネットワークでつながっていて、ログイン先が離れたところにあるイメージがあります。だから「はいりまーす(in)」という感じが理解しやすいと思われるのです。パソコン通信も、ホストコンピュータは電話回線の向こうにありましたから、「いらっしゃーい」という感じでしたね。
しかし、Windowsへのパスワード入力という作業は、離れたコンピュータに入る作業ではなく、目の前のコンピュータを使える状態にするための作業です。目の前のコンピュータに「入る」というイメージは、イマイチしっくり来ないと考えたのではないでしょうか?
だったら、電源をonする、あるいは接続する(つながる、くっつく)という意味の「オン(on)」の方が、「しっくり来る」と感じたのではないか、と推測します。(だから、Welcome to Windowsというのは、いつまでたっても違和感があります)
一方、マイクロソフトは、離れたコンピュータサービスへの「ログイン」の事を、「サインイン」と言っています。メッセンジャーやWindows Liveで使われています。これは「本人だと確認する」という意味を強調した造語だと思います。
ちなみに、ログインの反対語はログアウト(出る)ですが、Microsoftにおいて、ログオンの反対語はログオフ(離れる、消す)です。筋が通っていますね。
深読みをすると、MicrosoftはPCを家電(→道具)にしたいと強く思っているのでしょうね。逆に、その他のコンピュータ関連企業は、あくまでネットワーク(→コミュニケーション)を意識しているといえるでしょう。
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有り難うございました。大変参考になり,すっきりしました^^。
投稿: taka | 2009.04.30 23:41
はじめまして。考察たいへん興味深く読ませていただきました。
ただ個人的には、『MVSというミニコン用OSの用語を引き継いだだけ』ではないのかなぁと思っています。
(ビルゲイツがMVS開発者を引き抜いてWindowsNTを開発させていますので)
2年も前の文章にコメントして、すみません。
投稿: ひぃ | 2009.10.19 14:32